一般庶民(男性の場合)は、正絹の和服は普段着に使えるか?

和服

 という事で、個人的な意見を記事に記していきます。
 私が男性なので、同性向けの生地となります。
 ちなみに正絹は「しょうけん」と読んで、要はシルクの事です。

リサイクルショップなどで予算以内など条件に合えば購入を検討

 まず、手元に正絹の和服が無ければ、普段着にする云々は話せません。
 そして、この記事を読んでいる人の想像通り、正絹の和服を生地から仕立てるとなると、大雑把に言って一か月分の給料が飛ぶ事になるでしょう。
 なので、とても和服をオーダーメイドで作るなどというのは、一般庶民には無理です。
 申し訳ないですけれど、着物ハンガーやたとう紙や、小物を買う用事以外で呉服店の暖簾を潜ってはいけませんし、店頭での勧誘やセールストークに弱い人は絶対に呉服店に近づいてはいけません。
 では、どこで和服を買うのかと言えば、リサイクルショップやメルカリといったフリマアプリとなる訳です。
 やはり、中古品は安く手に入ります。
 どうしても新品が良くて、お金が有り余っているという人以外は、リサイクルショップなどを頼りましょう。
 正絹や木綿などの和服を買うなら、実際にリサイクルショップで体に当ててみて袖や丈の長さを確認してから購入したり、自分の着物のサイズ(男性であれば、大体身長マイナス20センチくらい)が分かっているならフリマアプリで十分です。

 ここで購入する時の1番目の要点は、当然ながら正絹の和服である事。
 ほとんどのリサイクルショップは、正絹の和服も木綿などの太物の和服も、まとめて吊るしてあります。
 書いていて思いましたが、まずこの時点で相当難易度が高いんじゃないかと思います。
 さらっと触って「これは正絹、つまりシルク」と分かるのは、生地に詳しくないと難しいです。
 正絹の和服を着た事が無いと、持った感覚や袖を通した感触で正絹だと判別するのは厳しい。
 親切なお店であれば、生地ごとにラックが分けてあったり、タグに素材が書いてある事もありますが、ほとんどのお店は単に「和服」「着物」でまとめられています。

 次に、2番目の要点は、まず予算。
 大体ここまでなら出せる、という金額を決めておき、予算以内の和服を探す。
 多少知識のあるお店であれば、正絹の和服は他の和服に比べて値段が高く付けられています。
 おおむね7,000円を超える値付けとなっているようです。
 元値が給料一か月分と考えると、相当お安くなっている……、のか?
 ちなみにハードオフだと、中古の大島紬で33,000円。
 私も、さすがに2,000~3,000円で、中古の正絹の和服が置いてあるお店はまだ発見できていません。

 最後に、3番目が柄や模様。
 安くても、実際に着たいと思わない柄や模様、色の和服でなければ、結局は箪笥の肥やしとなります。
 大体のリサイクルショップには亀甲柄の和服が置いてありますし、数も多いので中古品メインだと似たような柄で同じような色合いの和服ばかり持っている、という事があると思います。

 この3点を念頭に置いて、吊るしてある和服を手で触って、袖を通して様子を見ます。
 無事、自分の気に入る色合いや模様で、予算にも合致して、正絹だと思える和服があれば、購入する運びになります。
 まあ、正絹じゃなくでも気に入って着倒そうと思える和服なら、遠慮なく買います。

 メルカリなどで買う場合も、上記の3点を念頭に置いて、なるべく安く調達します。
 フリマアプリであれば、和服のサイズや素材なども明示されている事がありますから、正絹の和服を探す時には手助けになります。
 それに、吟味する時間を取れば、比較的安価で状態の良い和服を購入する事ができます。
 もっとも、出品者に確かな知識がある事前提なので「素材・正絹」で出品されていても、実際購入して手に取ってみたら違う素材だった、という事もあります。

 正直、この『正絹の和服をリサイクルショップやフリマアプリで買う』部分が一番難易度が高いでしょう。

後は着るだけ

 はい、身も蓋もない話ですが、無事に和服が手に入ったら後は着るだけです。
 大体のリサイクルショップやメルカリで買った和服は長着のみか、羽織とセットとなっていると思います。
 なので、他に必要なのは角帯と、場合によっては長襦袢と腰紐くらいです。
 羽織も着用するなら、羽織紐も欲しくなります。
 角帯が2,000円くらい、腰紐が1,000円くらい。
 長襦袢もリサイクルショップで買えます、500~1,000円くらい。
 羽織紐も、小物コーナーで1,000円くらい。
 長着を7,000円で買えれば、12,000円程度で立派な着物男子になります。
 当然、長着が正絹でなければ、もっと予算は抑えられて、おおむね7,000円程度となるでしょうか。

お手入れなど

 着たら当然、お手入れしなければいけません。
 一日着たら、長着と羽織、長襦袢、帯と腰紐を同じ時間だけ影干しして汗と臭いを飛ばします。
 干している時に乾いたタオルや衣類用ブラシで埃を落としておくと尚良いです。
 その後、セリアの60×40センチの洗濯ネット2枚に長着と羽織、長襦袢と帯類を分けて入れて、箪笥や衣装ケースに乾燥剤と一緒に収納します。
 個人でできる、負担の少ない手入れはこんな感じです。
 というか、これ以外、私はしません。
 正絹の和服は、家庭で洗濯すると生地が縮んで大変な事になりますから、目立つ汚れが付いた場合は軽くタオルで汚れを取った後は、速やかに和服に対応しているクリーニング屋さんに出しましょう。
 クリーニング料金は、長着1枚で5,000円程度だと思います。
 正直「和服一式を揃える値段」と「和服一式をクリーニングする値段」なら、後者の方が圧倒的に高額です。
 高めのブランドの衣服と同じく、丁寧に扱いましょう。
 といっても、慣れてくると小雨程度なら気にせず出歩くようになりますが。

手持ちの正絹の和服

 投稿時、合計3着持っているので、買った場所や値段などをメモとして残しておきます。

 1着目は、京都のリサイクルショップで、長着8,000円、羽織が6,000円くらい。
 和服専門のお店で買ったので、確実に正絹。
 長着は軽さと柔軟さを併せ持っていて、羽織はとにかく薄く軽い。
 どちらもサラサラした感触で、真夏以外のどの季節でも着て出歩ける。

 2着目は、メルカリで長着と羽織がセットで2,200円。
 安かったし、商品説明の画像で「主な素材 正絹」だったの購入。
 実際に手に持ってみると、結構生地が硬くて重い。
 ほつれた糸を引き抜いて燃やしてみると、シルクの特徴である「黒い炭になり指先で揉むと簡単に粉状になる」事が見受けられたので、多分正絹。

 3着目は、リサイクルショップで7,800円。
 何度か通っている間に見つけて、値札を手に取る度に「高いな」と思っていました。
 試しに袖を通してみると、何となく正絹っぽい。
 同じ亀甲柄だと青系統の和服しか持ってなかったので、試しに購入。
 家で実際に着用して出掛けてみると、明らかに1着目と同じ正絹の風味がするので、多分正絹。
 生地が柔らかく、着心地が軽くて動きやすい。
 こちらは表面がふわふわした感触です。
 1着目と合わせて、正絹の和服を常用する人の気持ちがようやく分かりました。
 

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