五つ紋付きの長着と羽織を購入

和服

 リサイクルショップオーディンにて、少し前に見かけて気になっていたので購入してみました。

長着

 背中と袖、両胸に紋が入った五つ紋の長着。
 五つ紋の入った着物は第一礼装として、結婚式の新郎新婦や仲人などが着用するような着物なのですが、Amazonや男着物の加藤商店などの通販で売られている紋付袴の着物は大体五つ紋です。
 Amazonだと「紋付 着物」で検索すると五つ紋が出てきますが「三つ紋 着物」で検索してもほとんど見つかりません。
 男着物の加藤商店では、三つ紋は紋入れ加工くらいで「紋付」で表示される紋付着物は大体五つ紋の物です。
 メルカリでも三つ紋の出品は羽織くらいしかないので、正直オーダーメイド以外で三つ紋や一つ紋を入手する手段はほとんどありません。
 ていうか、紋付袴で検索しても大体が五つ紋の画像しかなくてちょっと困りました。
 なので、とりあえずフォーマルな場面では五つ紋でも問題なさそうです。
 着物の着方を説明するサイトだと、披露宴やお葬式などの主催者でない場合は三つ紋や一つ紋が望ましい、と書かれていますが、まず手軽に入手できる手段がないのでどうしようもない。
 基本的にそういう場だと他の方はスーツだったりで、着物の格式とかよく分からない方が大多数でしょうし、極端な話ではありますが、黒色スーツの中にカジュアルな長着と袴だけでも目立つので、紋の数は気にせずに誤差だと思います。
・五つ紋と三つ紋は、ちょっと差があるくらいで式典用
(そもそも主役じゃなければ衆人の耳目を集めるような事はないだろうし、例えば結婚式で仲人や友人代表としてスピーチをする、もしくはお葬式で故人の為にお手紙を読むくらいの間柄や立場なら五つ紋で問題ないだろう)
・一つ紋はカジュアル着よりもちょっとちゃんとした服装
 くらいの認識でいます。
 そういった慶弔の場に、きちんとした和服で参列する事がお祝いの気持ちや故人を悼む気持ちの表れにもなるでしょうし、事実として服装で気持ちの重きを表現するなら格式違いでも許容範囲ではないか、と思うのです。
 まあ、着る機会は全くと言っていい程にないのですが。

 素材はおそらく正絹。
 手触りが柔らかく、袖を通した時に冷んやりとした感触がします。
 また、生地を擦り合わせるとキュキュキュ、と高い音が鳴るので多分間違いないと思います。
 裄丈:68.5cm
 着丈:139cm

 襟には伊達襟、比翼が縫い付けてあります。
 前の所有者が大切に使用していた事が伺えます。
 生地に光沢はなく、落ち着いた色合い。

 紋の名前は、丸に一つ茶の実。
 よく似ている紋に、丸に橘の花が書かれた物があります。
 丸に橘の紋は、これの花の左右に葉が飛び出していますが、こちらは花が一本とシンプル。
 あまり見かけない紋なので、グーグルの画像検索で探して、ようやく判明しました。

 紋を使用した主な家は、旗本土田(どた)氏との事。
 といってもよく分からないので、検索した内容を元にどんな家なのか考えていきます。
 土田氏の家系は木曽義仲に使えた武将筋で、近江や近畿、いわゆる滋賀や愛知付近に根差した武家であったらしい。
 明智や織田に仕えた武士を排出し、なんやかんや織田信長の祖父にも出仕している記録はあります。
 色々と由来を付けて、強引に解釈すれば、清和源氏系の家紋とも言えなくはないか……?

 また、茶の実紋は、橘紋を本家筋とした分家の家紋らしく、橘傍流の他、その氏族が掲げていたらしい。
 他にも茶道が流行った時分にはそれに近しい千家であったり流行に乗った武家であったり、薬師の家系でも使用する事があったみたいです。

 家紋は基本的に自由に使用できるとは言え、なるべくなら自分に関係ありそうなものを使用したい。
 自分でオリジナルの家紋も作成できるので、かなり自由度の高い分野だと思います。
 何なら好きなキャラの横顔などでも良いのですし。
 しかし、三菱マークや三つ葉葵の御門、皇室の象徴の菊花紋章など、個人での使用であっても控えるべき家紋がいくつかあります。
 もちろん、著作権のある肖像物も使用はできません。

羽織

 羽織も同じ素材で、こちらの状態も良い。
 着る機会がないのは残念ですが、持っておいて損はなさそうだな、と思っています。

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